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理事長挨拶
我が国では世界に先駆けて超高齢化社会を迎え、人生100年時代の実現が迫っている中、国をあげて健康寿命延伸をテーマに様々な取り組みが行われています。我が国の主な死因として悪性新生物(がん)、脳心血管疾患が半数近くを占めており、これらは様々な生活習慣に関連して起こることが明らかになっており、生活習慣病として知られています。特に、どのような内容の食事をどのくらい摂るのかは、粥状動脈硬化を基盤とする脳心血管疾患の発症に大いに影響するため、日本動脈硬化学会では動脈硬化予防に役立つ食事として、日本食パターンの食事(The Japan Diet)を推奨しています。健康的な食生活を営むために、規則正しく栄養バランスの良い食事といった食育活動のほか、生活習慣病、脳機能、運動機能などをサポートする健康食品素材も多く開発されてきました。更に、近年は個人の体質や栄養の状態に合わせた助言や栄養食品・健康食品を提供するパーソナライズド・ニュートリション市場が急成長を見せています。このように食と健康への関心は大きな拡がりをみせている中、生活習慣病の予防や治療のための医薬品は当然のことながら、健康期や未病期を延長させる食品成分の活用が大いに期待されています。
ヘスペリジンはビタミンPとも呼ばれるバイオフラボノイドの一種です。1936年にハンガリーの生化学者、アルバート・ゼント=ジョルジ(Albert Szent-Gyorgyi)によって発見され、その作用として、毛細血管の柔軟性を保ち、強化するビタミン様作用があります。陳皮の主成分で柑橘類に多く含まれ、日本人が長年、食してきた安全、安心な食品成分の1つです。その他にも、血清脂質、血流循環、骨代謝の改善、血圧降下、ビタミンCリサイクル、眼病予防、抗酸化などの多彩な作用があり、優れた機能を持つ食品成分であることは学術的に認められています
ヘスペリジン研究会(旧名称:糖転移ヘスペリジン・ビタミンP研究会)は、ヘスペリジンをはじめとする柑橘類由来の生理活性物質に関する基礎的および応用的な研究を進め、得られた成果についての発表、情報交換、社会に対する情報発信を行うことにより、ヘスペリジン等に関する研究の進歩・普及を図り、もって我が国の農業、食品およびこれらの関連する産業の発展と国民の健康増進に寄与することを目的として、2009年にスタートしました。発足当初はヘスペリジンを研究している人は多くはありませんでしたが、産学を中心に活動を進めてきたことで、最近では医薬や食品栄養に留まらず、化粧品用途や農林・水産など様々な分野の研究者にも数多くご参加いただいております。多くの分野のご専門の皆様のおかげで、毎年斬新な学術的知見が発表され、ヘスペリジンの機能的可能性が大きく拡がり、蓄積されています。この場をお借りして研究成果をご発表いただきました皆様には厚く御礼申し上げます。
2024年、更なる発展を目指してホームページをリニューアルしました。日々蓄積していくヘスペリジン関連の学術情報をまとめ、適切な科学的根拠として情報発信して参ります。本会の今後の発展を通して、また様々な分野の研究成果を介して、人生100年時代のための健康寿命延伸に貢献できると信じて活動を続けていきますので、引き続きご協力いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
ヘスペリジン研究会 理事長
山下 静也
(地方独立行政法人りんくう総合医療センター 理事長)
ヘスペリジン研究会
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