ヘスペリジンの食品加工への応用
ヘスペリジンは様々な柑橘類に含まれているフラボノイドの1種で、温州みかんでは中果皮に100gあたり3,800mgと多く含まれています1)。水溶性が低く、みかんジュースやみかん缶詰とのシロップの保存中にみられる沈殿物の原因となっています。
α-グルコシルヘスペリジンは、ヘスペリジンのルチノース基にグルコースが付加した構造をとり、溶解度がヘスペリジンの10,000倍以上に向上しています。このα-グルコシルヘスペリジンをみかんジュースやみかん缶詰に添加することでヘスペリジンの沈殿が抑えられることが報告されています2)。また、ウコンに含まれる難水溶性成分のポリフェノールのクルクミンの溶解性を改善することも報告されています3)。 α-グルコシルヘスペリジンは、熱安定性が高いこと、紫外部吸収作用を持つこと、パプリカ色素やβカロテンの退色防止作用や、ステビアやアスパルテーム等の高甘味度甘味料の呈味改善効果が報告されており4)、日本では食品添加物として、飲料、ゼリー、調味料等の様々な食品形態に利用されています。 文責:タンジャ マハマドゥ(東洋精糖株式会社)
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